実は、歯周病治療のゴールには「ポケットの深さ」よりも大切なものがあるのです。
この3mm以下と言う数字はどこから来ているのでしょうか? 健康な人の正常なポケットが大体3mm以下だから歯周病のゴールも同じだと思い込んでの答えかと思います。
例えば、同じ部位を4回ポケット測定して、4回連続して出血した部位は4年間で歯周病が30%進行しましたが、毎回出血していない部位の歯周病は98.5%が進行しないことが分かっています。
極端に言えば、ポケットが10mmあったとしても、出血しなければ歯周病は進行しません。ポケット測定時の出血(Bleeding on Probing : BOP)は言うまでもなく歯肉縁下の炎症症状の指標となります。そして、炎症こそが歯周病の本体ですから、炎症をコントロールする事こそが歯周病治療における重要なファクターである事がわかると思います。
つまり、歯周病のゴールはメインテナンスによって「歯周病が進行しない=出血のない」ポケットに改善する事(BOPゼロにする事)が目標となります。