虫歯治療のステップ
第1段階:[問診と診査]
痛みの有無や痛みの状況など詳しく聞きます。歯や顎を診るだけでなく、噛合せの状態や顎の動きなどの診査も必要となるので、多くの場合レントゲン撮影を行います。レントゲン撮影には、顎全体を1枚のフィルムで撮影する方法と個々の歯を撮影する方法がありますが、必要に応じ、両者を併用することが多く見られます。この場合、同じ日に撮影する時と日を異にする時とがあります。
第2段階:[脱灰した象牙質の除去]
エナメル質は、ほとんどが無機質ですから、脱灰によって溶け去ります。しかし、象牙質は約30%の有機質と水分から出来ているので、脱灰後も軟らかい基質が残ることになります。この脱灰した象牙質のことを「軟化象牙質」といい、その中には引き続き脱灰を進行させる酸や細菌が含まれています。
従って、虫歯の進行を防止するために、歯を削ったり、刃物でかきとったりして除去します。その際に、神経に近くなったり、神経が出そうになったりした場合は、神経を鎮静させる作用のある「貼薬」や「セメント」で保護します。神経が出てしまうような深く多量に軟化象牙質がある場合は、感染防止の観点から、神経を除去することが多く見られます。
治療した歯が夜になって急に激痛が発生するような場合は、その多くが無理に神経を残そうとした時にみられる症状です。
第3段階:[つめものや冠の装着]
比較的虫歯が小さければ、充填(つめもの)をします。この場合、残った歯が欠けないように、あるいは再び虫歯にならないように、充填したのもが外れないように歯を削ります。虫歯の面積が広いような場合は、歯全体を覆う形の「冠」を作るように歯を削ります。
この冠を作る場合は、必ず歯型をとって作りますが、充填の場合は、型を採る方法と削った歯に直接つめるタイプのものとがあます。