歯科関連情報

3. 画像データをデジタル処理、3Dプリンタで作製した3次元造形モデルは説明にも有用

    3Dは口腔外科分野で大きな期待できる
    3次元造形モデルは患者様の説明にも有用で、病態や治療法に対する理解を助ける大きなツールとなります。

    さらに手術の精度を高めるために、プレオペレーシションにも活用されます。実物と同じ造形モデルを切除することで、手術の手順をシミュレートしやすく、イメージも固まるため、術中に起こりうるイベントや偶発症の可能性を予測し、起こりうる事態に備えることが出来ます。

    また、造形モデル上で埋入予定のプレートなどをあらかじめベンディングしておけるので手術時間の短縮にも役立ちます。ある医療施設では、2019年、顎変形症の診断・術後予測および施術支援が70件以上、腫瘍・埋伏歯および炎症などの診断支援も70件以上と言う実績があります。

    近年は、オトガイ形成術で使用するデバイスも3Dプリンタで作製し、それをガイドとして活用することで手術の精度を格段に向上させました。マイクロメートル(μm)単位の噛み合わせの調整は難しいものですが、最小積層ピッチが16μmと細かい3Dプリンタもあり、精密さが求められるデバイスも作製可能となっています。

    そして、最先端の3D技術としてMR(ミクストリ・リアリティー)にも積極的に取り組んでいます。これは、3Dプリンタで作製した造形モデルをホログラム化し、手術中にホロレンズのゴーグル越しに確認しながら手術を行うと言うものです。

    造形モデルから解剖学的構造物の位置や治療対象物の状態などの情報を得るだけでなく、患部と重ね合わせてガイドすることも可能です。完全な実用化までには時間が少しかかると思いますが、近い将来、この方向に進んでいくことでしょう。まさに、歯科医療、特に口腔外科分野における大きな発展・前進が期待できる機器と言えるのではないでしょうか。

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    武内 光晴

    武内 光晴

    武内デンタルクリニック 院長 歯科医師

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