歯科口腔外科

口腔癌を含む頭頸部癌の患者様の診断

    口腔癌を含む頭頸部癌の患者様の診断における問題として重複癌と多発癌があります。重複癌(異なる臓器に癌が発生すること)は、上部消化器癌肺癌が多く、発生頻度は11.0~16.2%と報告されています。

    一方、多発癌とは同一組織(特に口腔内や食道)に複数の癌が発生することをいいます。もともと口腔・咽頭・喉頭・食道・肺は同一リスク因子(喫煙と飲酒)に暴露され、かつ重層扁平上皮という同一の粘膜で覆われているため、多飲の患者は口腔癌と食道癌、ヘビースモーカーは口腔・咽頭・肺というようにそれぞれの臓器で癌が発生することが知られています。このことをfield発癌といいます。

    病理組織学的な検査だけでなく、遺伝子診断も患者の治療および予後に大きく貢献します。口腔に発生するのは扁平上皮癌だけでなく唾液腺癌も10%程度発生するが近年、唾液腺癌は「融合遺伝子」という染色体の位置異常(転座)が原因で発生していることが明らかになりつつあります。

    例えば、粘表皮癌と呼ばれる唾液腺悪性腫瘍の場合、融合遺伝子あり予後が良い可能性が示唆されています。
    腫瘍から遺伝子検査を行うことで予後の予測だけでなく、広範囲切除と再建を患者にどう勧めるかを検討します。
    もし再発しても、がん化学療法の中で分子標的薬の選択に大きな活路が開けています。

    我々はもとより広く一般的に、TV、新聞、週刊誌等において、特に口腔関連性の高い部位発生する癌は、口腔癌(歯肉や舌、その周囲組織を含む)喫煙と飲酒が大きな原因因子とされています。身近なところに禁煙グッズの販売があったり、昨今では「禁煙外来」が設置されている病院、内科等も多く見かけるようになってきました。また。飲酒は「量」も問題ですが少量でも「習慣性」も度外視できないと思います。これは脳への影響もありアルコールによる脳萎縮への注意も忘れてはならない部分と考えます。

    武内 光晴

    武内 光晴

    恵比寿の歯科医院(歯医者)、武内デンタルクリニック 院長。

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