歯科口腔外科

最も多く発生するのは扁平上皮癌

    口腔がんを含めた頭頸部で最も多く発生するのは扁平上皮癌でありその場合、根治的には66~70Gy、準根治的には50~60Gy、緩和的には30~40Gyが目安とされます。放射線治療は機能と形態を保存できる治療である反面、口腔・咽頭粘膜炎(治療開始2~3週目=20~30Gy頃から出現)皮膚炎などほぼ必発する急性症状と唾液分泌障害・放射線性顎骨壊死などの晩発障害があり、これらをいかに軽減できるかが治療完遂の鍵となります。

    1)以前は高度先進医療であった粒子線治療が「口腔・咽頭部の扁平上皮癌を除く頭頸部腫瘍」について2018年4月に保険収載されています。粒子線が可能な施設は世界に約90施設で、日本は23の粒子線施設(陽子線17、炭素線5、療法1)を持つ世界的な粒子線大国で、治療の難しい唾液腺癌や悪性黒色腫などに応用されています。

    2)がん化学療法
    口腔癌の標準治療におけるがん化学療法は、術前では咽頭摘出回避が目的の場合のみ施行するもので、切除不能口腔癌患者に対して放射線治療とともに施行するか、術後の切除不能な再発。転移症例に行われます。国内で頭頸部癌に対してがん化学療法が施行されだしたのは、1982年白金化合物のシスプラチンと5-FUとの組み合わせが頭頸部癌に有効であることがわかり、翌年に日本で認可され標準的な投与法となりました。

    現状はそれに加えてタキサン系のドセタキセルや癌細胞の増殖に関わるEGFR(上皮増殖因子受容体)というタンパク質の働きを選択的に抑制する分子標的薬であるセツキシマブの上乗せ効果が証明され、汎用されています。
    セツキシマブは、頭頸部扁平上皮癌に対して使用できる唯一の分子標的治療薬であります。

    これらの治療でも病勢が制御できない場合は免疫チェックポイント阻害剤であるニボルマブ(商品名:オプジーボ)を使用することになります。

    武内 光晴

    武内 光晴

    恵比寿の歯科医院(歯医者)、武内デンタルクリニック 院長。

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